※12月20日、11月議会最終日に討論採決が行われた基金条例の廃止についての反対意見を紹介します。
〇奨学基金条例の廃止について
この基金は、1982年に吹田市の奨学事業に対して市民の方から1000万円の寄附受け設置されました。その後、遺言による2000万円の寄付を受け、さらに、その後吹田市にお住まいであった方が亡くなられた際、故人が創業された事業者から、奨学金に200万円の寄附を受けたため、増額されました。
最近は低金利のため運用されていませんが、基金の運用益の充当先である高等学校等学習支援金制度は、1977年に高校生の授業料支援として始まり、授業料が無償化されて以降もなお、学習用図書購入費への支援に目的を変更し継続され、低所得世帯の高校生への吹田独自の支援策として行われてきました。
市は、国や大阪府の支援が充足し、高校等学習支援金を市として行う必要はなくなったとして来年度廃止するとの判断ですが、住民税所得割非課税世帯にとっては、部活動や制服代を含む通学費用など、高校就学に関する費用は国・府制度だけでは賄いきれません。
教育委員会は、基金廃止後に残高3200万円を一般会計に繰り入れ、不登校児童への対策や、教員の働き方改革に充当するとしています。この施策自体は必要でありますが、経済的に苦しい高校生への支援という、寄付の趣旨を損ねると考えます。また、お金に色はついていないため何に使われたかという証明はできず市税等一般財源の肩代わりをするだけです。
よって、高校等学習支援金制度を打ち切ることを前提にした奨学基金の廃止は認められませんが、この制度はほぼ一般財源によって行われているため、基金を廃止したとしても継続することは可能です。廃止の再検討、並びに低所得世帯の高校生が希望をもって高校生活を送り、さらに進学もできるような支援策の再構築を市として行うよう求めて意見とします。
(賛成多数で可決。日本共産党は反対)