国民健康保険条例の一部改正について以下の意見を述べ賛成しました。
本条例改正は、本年12月2日より現行の保険証の新規発行を終了し廃止することに伴い、その文言を条例からなくすものです。
この間政府は、国民にマイナンバーカードの普及を目的に、マイナンバーカードに健康保険証を紐づけたマイナ保険証の取得と医療機関での利用を迫ってきました。そもそも、マイナンバーカードを取得するかどうかは任意です。また、マイナンバーカードを保険証として登録することも使うことも任意であります。
本会議の代表質問で、吹田市では現在、国民健康保険加入者57,808人のうち、マイナ保険証の取得は30,995人で、取得率は53・6%とのことでした。一方利用率は、12・66%と全国平均並みで、低調であることが健康福祉常任委員会の質疑で明らかとなっており、保険証を廃止することに道理はありません。
保険証の廃止後、マイナンバーカードとマイナ保険証を取得していない人には『資格確認書』が交付されます。原則、本人の申請に基づき、保険者が交付するとされていますが、「当面の間」は、本人の申請によらず自動的に交付されるとのことです。マイナ保険証取得者には、保険情報が正しく紐づけられているか確認するための『資格情報のお知らせ』が交付されることになります。『資格確認書』も『資格情報のお知らせ』もどちらも記載される内容は、現行の保険証と同じものとなります。この点においても、保険証を廃止する必要があるのか理解に苦しみます。
市内の医療機関の窓口では、マイナ保険証の読み取り機器の不具合で、マイナ保険証の読み取りができない場合、携帯している現行の保険証を確認されています。保険証がない場合、やむを得ず10割負担の支払いをしなければなりません。マイナ保険証は5年ごとに更新手続きが必要ですが、更新を忘れていた場合、窓口で10割の負担となります。また、マイナ保険証の読み取りに手間取り、窓口が混雑する場合があるとのことですが。医療機関には、補助者を配置する余裕はありません。混雑の回避のため、読み取り機器を増設しようにも、機器代やシステム費用など、医療機関の負担が増大してしまいます。災害時の停電などトラブルなども想定しなければなりません。
千葉県の保険医団体がおこなった調査では、646の医療機関の68%でトラブルが起こっています。そのうち55%が持ち合わせた保険証で回避したとのことです。一方で、小規模な診療所では、マイナ保険証の使用そのものを断っているということがわかっています。
今年の診療報酬改定では、マイナ保険証の一定の利用実績などの要件を満たす医療機関には、初診料に80円の加算が設けられたことで、患者はマイナ保険証の取得の有無にかかわらず支払いが増えることになります。さらに厚労省は、マイナ保険証保有する患者の診療順を優先することを認めており、こうした差別的な対応は許さるものではありません。
薬局では、任意であるはずのマイナ保険証の持参の強要とも受け取れる周知が一部にされているようです。処方箋の持参があれば薬は出されますが、マイナ保険証取得しなければ薬がもらえないという誤った認識を持たせてしまう可能性があります。薬局等及び本市が市民対して行う周知に際し、誤解を生じさせない正確な周知となるよう市の対応を強く求めます。
政府は、マイナンバーカードやマイナ保険証取得者に対するポイント付与に、約1兆3800億円の税金を使ってきました。巨額の税金を投入してもマイナ保険証の利用が伸びないのは、マイナ保険証のメリット以上に、先ほど述べた医療機関窓口で起こるトラブルや別人の医療情報が紐づけられる等、命に関わるデメリットがあるからではないでしょうか。保険者として業務を担う本市においても、職員のみなさんの負担がただ増えることになるのではないでしょうか。
本条例案は、法改正に伴いマイナ保険証を持たない人への対応を行うための事務手続きであり、やむえない条例改正と考えます。しかし、あくまでもマイナンバーカードおよびマイナ保険証の取得は、任意であることが大前提です。その認識を強くもっていただき、保険証の廃止により影響を受ける市民に寄り添い、不利益を被らない対応を求め賛成意見とします。