市議会報告

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「吹田市国民保護協議会条例」「吹田市国民保護対策本部および吹田市緊急対処事態対策本部に関する条例」の制定についての意見 2006.2
市議会報告 71号より
平和
戦争が前提となっている米軍協力法

 今回の議案は、国民保護の名のもとに武力攻撃事態、すなわち戦争に自治体や市民を総動員する有事法制の具体化にほかなりません。
 本議案の根拠となる国民保護法の中身で、日本に直接攻撃が及んでいない事態、つまり武力攻撃予測事態や米軍が先制攻撃戦争を行った場合でも発動されるとしていること。

病院や学校などの公共施設や人も徴用

 また、避難計画だけでなく、病院や学校、公民館など地方自治体の施設を米軍や自衛隊に提供したり、医療事業者、電気、輸送業者など指定公共機関ひいては一般市民まで動員する計画を求めていることなど、この法律自体が憲法違反であると考えます。

ミサイルや核兵器から保護は余りにも非現実的

 また、非常に「非現実的想定」であり、対応に苦慮する自治体も多くありますし、政府自身も「作成する側の意見を尊重する」と述べざるをえない状況です。この国民保護計画は法定受託事務ですが、だから仕方がないという立場ではなく、憲法の平和原則、民主主義、基本的人権の尊重を守る立場でこの計画には参加すべきではないと考えます。非現実的想定への対策計画ではなく、自然災害など現実的な災害への対策計画こそ強化・充実させるべきです。

いまこそ戦争のない平和な世界を

 吹田市は非核平和都市宣言をしている都市です。その精神を生かし、主体的に全国に向けて平和自治体を発信することこそ、本当の意味で「住民福祉の向上と安全の保持、保護」につながるものと考えます。